ついに決着!購入VS賃貸!!

今までのコスト比較には大きな見落としがあった!

住宅は購入するほうが良いのか、それとも気楽な賃貸で済み続けるのが良いのか・・・。

これはそれぞれのライフスタイルやその価値観によって考え方が変わるものですが、
ここではファイナンシャルプランニングの見地から実際にかかる「生涯住居費」にスポットをあてて考えたいと思います。

日本人の平均寿命は年々長くなり、男性が約81歳、女性が約87歳となりました。
これにより長期の老後生活に向けたいわゆる「長生きするリスク」がクローズアップされています。

この「長生きするリスク」と「生涯住居費」は切っても切れない関係にあるのです。

では、実際のモデルプランをもとに購入、賃貸それぞれのシミュレーションを行い、比較してみましょう。

【モデルプラン】夫婦ともに現在年齢35歳、子供一人(現在3歳)で想定。日本人の平均寿命である男性(夫)81歳、女性(妻)87歳までの間を計算期間とする

■購入派
新築一戸建て(建売住宅)購入を想定。
自己資金300万円
物件価格3,780万円(土地2,500万円、建物1,200万円)
金利0.625%(大手メガバンクの一般的な変動金利)
返済期間35年

とすると・・・

月々返済 100,225円(ボーナス返済なし)

購入後に発生する修繕費・税金等
修繕費(防水工事や外壁メンテナンス等)積立額月々1万円、10年ごとに120万円×5回
固定資産税・都市計画税 約150,000円/年(平均寿命まで52年)

■賃貸派
65歳(定年)までは家賃90,000円(家賃)+10,000円(駐車場込) 計100,000円
子供も独立し、定年で一度引っ越し。65歳から妻の平均寿命までの22年は車も手放すため80,000円(家賃)のみ

更新料(2年毎)約220万円、賃貸転居に伴う礼金16万円

一般的なそれぞれの費用は上記のような金額と想定します。これらを計算してみると・・・

購入派・・・約5,890万円
賃貸派・・・約5,950万円

となり、87歳までの52年間で換算すると月々の居住費平均は、

購入派・・・約94,391円/月
賃貸派・・・約95,352円/月

となり、若干購入派のほうが有利ですが、実際にはそれほど大きな差はありません。

ところが実はここで大変大きな違いが発生しているのです。

それは購入派は土地という「資産」を手に入れているという点です。賃貸派は家賃を「費用」として払い続け、払い続けた費用は資産としての価値を生みません。

■資産

購入派・・・2,000万円(将来の人口減少に伴う資産目減り分を加味:2,500万円×0.8)
      建物は減価償却。0円で計上

賃貸派・・・家賃として支払い続けるため0円

平均寿命までの52年間で約2,000万円の資産を形成。月々に換算すると

2,000万円÷52年=約32,000円/月

毎月の居住費から32,000円は資産として積立されているのと同じなので、実際の居住費は以下のようになると考えられます。

購入派・・・約94,391円/月-32,000円=62,391円/月
賃貸派・・・約95,352円/月

住宅ローンの計算については変動金利での計算ですが、将来の金利の上昇に伴って約2,000万円も利息が増加することは考えにくいですし、住宅ローンを利用する場合、 数百万円単位での還付が見込める「住宅ローン減税」制度がありますが、その還付金は今回の計算に含んでいません。

また、万一事故や病気で夫が亡くなってしまった場合、賃貸派の家族は家賃を払い続けていかなければなりませんが、購入派は住宅ローン返済期間中であれば、団体信用生命保険で借入残高が0円となり、残された家族はその後の住宅ローンを返済する必要はありません。

同様に、70歳以降も家賃を支払い続ける賃貸派に対し、購入派は住宅ローンの返済が終了するので、それ以降の支出が抑えられます。

また、ご夫婦のどちらかが先立たれた場合でも自宅を売却して一時金を捻出し有料老人ホームに入所するなどの選択もできるかもしれません。

賃貸派は今後の家族構成やライフスタイルに合わせて、容易に住み替えができる点はメリットと言えるので、その部分に価値観を見出す方であれば賃貸という選択肢もありでしょう。

しかし、将来現実として直面する「お金」の問題については、断然「購入派」が有利と言えそうです。