住宅購入とお金の本
特集10生涯居住費について
新築マンション・新築戸建て・中古戸建て
の比較
『マイホーム選びは販売価格を重視している』という方が多いように思えます。しかし正確な経費を出すためには、マイホーム購入後にどよのうな経費が必要なのかを計算してみることが大切です。
そこで新築マンション・新築戸建て・中古戸建の各々の生涯居住費(生涯居住費)を比較してみました。
仮に3,500万円でそれぞれ新築マンション・新築戸建て・中古戸建を購入したとします。様々な経費は自己資金から、あとの残りは変動金利型住宅ローンで借り入れ金利0.875%という住宅ローンを利用します。(将来の金利変動は考慮に入れない)。ご夫婦で購入時の年齢は35歳と設定します。男性の平均年齢が低いことから、女性である奥様が平均年齢の85歳まで生存した場合の50年間の生涯居住費として比べてみます。
新築マンション購入の場合
マンションは意外と経費がかかります。毎月の住宅ローンの返済に加え、管理費、修繕積立金、駐車場代といった出費があります。
では具体的に説明してみましょう。東京市内で2007年築というマンションノ場合、修繕積立金費は現在一戸あたり月平均5,011円です。このマンションの分譲時の計画では修繕積立金は5年毎に値上げするとなっています。
つまり築6年目からは月8,000円、築11年目からは月12,000円、築16年目からは月17,000円、築21年目からは月25,000円となります。その他にも修繕一時金として分譲時に30万円、12年目に40万円の支出があります。ちなみに管理費は月13,000円で、駐車場代は月15,000円です。
また給湯器等の熱源機は寿命が10年ですので、10年毎の交換費用として20万円が必要になります。
新築戸建て購入の場合
今のレベルの新築住宅は普段のメンテナンスをきちんと行っていれば、生きている間に立て替える必要はほぼありません。35年後に屋根の吹き替え費用として100万円、10年毎の外壁塗りが1回55万円、おなじく10年毎の給湯器等の熱源機の交換費用が20万円必要になります。
中古建ての場合
もし中古建てを購入するのであれば、殆どの人が将来立て替えを視野に入れていることと思います。
もし3,500万円の中古住宅を購入して15年後(50歳時)に解体するとしたら、その費用は150万円、立て替えの建築費用は1,600万円になります。その時には20年返済のローン(変動金・.875%・将来の金利変動は考慮せず)を組んだとします。戸建ては10年毎の外壁塗りなどの住宅メンテナンス費用が1回あたり約55万円必要です。また10年毎に給湯器等の熱源機も交換するので、その費用として20万円が必要となります。
まとめ
3つの物件の差は上記に示したようになります。マイホーム購入では新築戸建てと、その他では生涯住居費に大きな違いが出てきます。しかし私たちはそれぞれ違う価値観を持っているので『これが一番正しい物件だ』と一概に言うことはできません。もし駅から近いことが希望ならば、マンションという選択も考えられます。また年配の方が中古建てを購入した場合では、将来的に建て替えの必要もありません。ですから中古建ても選択肢の範囲に入るでしょう。ここでの比較はあくまでも上記された前提の条件のもとに比べた結果です。
しかしながら生涯居住費に焦点を合せて考えると、お得なのはやはり新築戸建てと言えるでしょう。